BORO/SASHIKO
BORO/SASHIKO
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本作品は、大正時代に秋田県で制作されたBORO/SASHIKOに、和紙を横糸として織り込むという独自の技法を取り入れた、実用性と美しさを兼ね備えた一点です。
大正時代(1912〜1926年)は、文明開化と近代化の余波が全国に広がりながらも、地方の農村では伝統的な自給自足の暮らしが続いていました。特に秋田県のような寒冷地においては、布は極めて貴重な資源であり、一枚の布を幾重にも重ね、繕いながら使い続ける文化が息づいていました。そうして自然と生まれたのが、「BORO(襤褸)」と呼ばれる再生布の文化です。
BOROの表面に施された「SASHIKO(刺し子)」は、寒さをしのぎ布を補強するための実用的な技法でありながら、やがて繰り返される針仕事の中で幾何学的な模様へと発展し、素朴で力強い美を宿すようになりました。特に冬の農閑期、女性たちが家族のために一針一針丁寧に縫い上げた刺し子には、暮らしへの責任と祈り、そして手の温もりが込められています。
本作に用いられている和紙は、当時の庶民が衣類や生活用品に用いていた「紙布(しふ)」や「紙子(かみこ)」の伝統を受け継ぐ素材です。和紙特有の軽やかさ、通気性、そして張りのある質感は、布とは異なる風合いをもたらし、刺し子のステッチと重なることで、静かで奥行きのある存在感を放っています。使い込むことで和紙は柔らかくなり、素材としての変化もまた、この作品に「時間の記憶」を与えています。
このように、大正時代の暮らしの中で育まれたBOROとSASHIKO、そして和紙の融合は、単なる修繕や手芸の域を超え、「用の美」「再生の美」を体現する文化的な遺産といえるでしょう。本作品には、時代を超えて受け継がれてきた手仕事の精神と、日常の中に宿る静かな美しさが、今もなお豊かに息づいています。
表記:Unknown
実寸:肩幅60.0cm 身幅62.0cm 着丈102.0cm 袖丈23.0cm
状態:右襟にほつれあり。
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